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Ⅰ 介護保険制度導入の背景

1 なぜ、介護保険ができたのか

平均寿命第一位を誇る日本は世界中から注目される世界一の長寿国となりましたが、世界のどの国もこれまで経験したことのない高齢社会を迎えています。

高齢化の進展に伴い、寝たきりや認知症などの介護を必要とする高齢者の増加、介護期間の長期化、重度化進行など、介護の必要性や重要性に対するニーズが増大しています。その一方、家族形態の変化により少子化・核家族化の進展、高齢者のみの世帯の増加や介護する家族の高齢化なども深刻な問題となっています。介護を支えてきた家族をめぐる状況の変化を背景に、家族だけで介護することが困難な時代を迎えて、介護保険制度が作られることとなりました。

(1) 高齢化の現状と将来像

日本人の平均寿命は戦後、ほぼ一貫して延びており、女性は1984年に、男性は2013年に初めて80歳を突破しました。厚労省は「がんや心臓病、肺炎、脳卒中などによる死亡率が改善したことが要因」と分析をしています。医療技術の進歩や健康志向の高まりに伴って「今後も平均寿命は延びる余地がある」(同省担当者)ため、女性の平均寿命は90年を超えると推計しています。

《平均寿命の推移》
出典:内閣府 平成27年度版高齢社会白書

急速な高齢化に伴い、我が国の総人口は平成25(2013)年10月1日現在、1億2,730万人であり、そのうち65歳以上の高齢者人口は過去最高の3,190万人となっています。
総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は次のとおりです。


今後、日本の総人口が減少するなかで、高齢化率は上昇していき、高齢者人口は、平成54(2042)年に3,878万人でピークを迎え、その後は減少に転じるが高齢化率は上昇していきます。
 平成72(2060)年には高齢化率は39.9%に達し、2.5人に1人が65歳以上であり、75歳以上の人口が総人口の26.9%となり4人に1人が75歳以上になることが推計されています。



出典:内閣府 平成27年版高齢社会白書

このような背景の中で、老後生活最大の不安要因となっている介護を、介護が必要になった高齢者やその家族を社会全体で支えあっていく仕組みとして平成12年4月から開始されました。

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介護保険制度とは

Ⅰ.介護保険制度導入の背景
  1. なぜ、介護保険ができたのか
  2. 介護保険制度のこれまでの改正
  3. 介護保険制度の目的
  4. 介護保険制度の基本理念
Ⅱ.介護保険制度の仕組み
  1. 介護保険の仕組み
  2. 要介護認定とは
  3. ケアマネジメントとは
  4. 保険料はどうやって決まるの?
  5. サービス利用の手続き
  6. 介護サービスの種類にはどんなものがあるの
  7. 介護予防・日常生活支援総合事業のサービス利用の流れ
  8. 利用者負担はどのくらい
  9. サービスを選択するには
  10. 苦情の申出先は
  11. 地域包括ケアシステムとは
Ⅲ.もっと詳しく知りたい方のために
  1. 介護保険法
  2. 指定基準
  3. 介護報酬
  4. 社会保障審議会